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提案書をAIで作る|構成づくりから清書まで

「提案書を作らなければいけないが、何から書けばいいか分からない」「一から書いていると半日が消えてしまう」。少人数で営業や事務を兼任していると、提案書づくりは後回しになりがちです。けれども提案書は、商談の成否を左右する大切な書類でもあります。この記事では、生成AIを使って構成づくりから清書までを段階的に進める方法を、専門知識がなくても実践できる形で紹介します。

提案書づくりは「いきなり清書」をやめる

提案書が進まない一番の原因は、白紙の状態でいきなり完成形を書こうとすることです。文章の体裁を整えながら内容も考えるのは、頭の使い方が二重になり、時間がかかります。

実際にどれくらい時間がかかっているかを振り返ってみてください。営業兼任の担当者が1件の提案書を仕上げるまでに、平均3〜4時間かかっているケースは珍しくありません。月に4件の提案書を作るとすれば、それだけで月12〜16時間が消えます。週40時間労働の会社なら、月のうち0.3週分が提案書作業に消えている計算です。

AIを活用するときも同じで、最初から「提案書を作って」と丸投げするとピントのずれた文章が出てきがちです。AIは「あなたの会社の料金」も「先週の商談で相手が気にしていた点」も知りません。何も渡さずに指示すれば、それらしく見えるが中身が薄い文章しか返ってきません。

おすすめは、次の3つの段階に分けて進めることです。

  1. 構成(見出しの骨組み)を決める
  2. 各セクションの中身を箇条書きで埋める
  3. 文章として清書する

段階を分けると、各ステップでAIに渡す指示が具体的になり、修正もしやすくなります。また、「どこで人間が判断し、どこをAIに任せるか」が明確になるため、事実誤りのリスクも下がります。提案書1件あたりの作業時間を3〜4時間から1〜1.5時間程度に短縮した事例が、この3段階アプローチを採用している小規模チームの間で報告されています。

ステップ1: 構成をAIと一緒に決める

まず、提案書全体の骨組みを作ります。このとき、提案先や目的をできるだけ具体的に伝えるのがコツです。

たとえば次のように指示します。

  • 提案先: 従業員30名ほどの製造業。経理担当が1名で残業が多い
  • 提案内容: 請求書処理の効率化サービス
  • ゴール: 次回の打ち合わせで導入検討を前向きにしてもらう

この前提を渡したうえで「提案書の見出し構成を5〜7個、理由とともに提案してください」と依頼すると、課題の整理、解決策、導入の流れ、費用感、といった骨組みが返ってきます。

返ってきた構成は、そのまま使う必要はありません。「導入事例を入れたい」「費用の前にメリットを先に置きたい」など、自社の事情に合わせて並べ替えたり差し替えたりします。骨組みが固まれば、提案書の半分は完成したようなものです。

構成づくりでよく使う指示の型

以下は、構成の骨組みを依頼するときに使い回しやすいひな形です。状況に応じて書き替えてください。

以下の条件で提案書の見出し構成を5〜7個提案してください。
各見出しに「なぜその順番か」の理由を1行で添えてください。

・提案先の特徴:[担当者1名・経理業務が中心・残業月20時間超]
・提案する内容:[請求書処理を自動化するクラウドサービス]
・提案書を渡す場面:[2回目の商談・意思決定者も同席]
・期待するゴール:[試験導入の承認をもらう]

このように「場面」と「ゴール」を明示すると、読み手の関心に沿った構成が返ってきやすくなります。たとえば「意思決定者が同席する2回目の商談」であれば、費用と導入後の運用負荷を早い段階に置く構成が効果的です。一方、「まだ課題を共有している段階の初回商談」なら、現状の課題整理と共感を先行させた構成が合います。

失敗しやすいパターン

構成の段階でよくある失敗は、「自社が伝えたいこと」の順番で骨組みを作ってしまうことです。たとえば「会社概要→サービス紹介→導入メリット→費用」という順番は、営業側の都合に沿っていますが、相手が知りたい順番とはずれることが多いです。相手は最初に「自分たちの課題が正しく理解されているか」を確認したいので、課題の整理を先に置いたほうが読み手の気持ちをつかみやすくなります。

ステップ2: 中身は「自分の情報」を渡して埋める

構成ができたら、各セクションの中身を埋めます。ここで重要なのは、AIに事実を作らせないことです。価格や実績、納期などは必ず自社の正確な情報を渡します。

  • 課題のセクション: 商談メモやヒアリング内容を貼り付け、「相手の課題を3点に整理して」と依頼する
  • 解決策のセクション: 自社サービスの特徴を箇条書きで渡し、「相手の課題と結びつけて説明して」と依頼する
  • 費用のセクション: 正確な料金プランを渡し、表現だけ整えてもらう

このように、判断や事実は人間が持ち、文章化や整理をAIに任せると、内容の正確さを保ちながら作業を速められます。数字や固有名詞の部分は、出力後に必ず自分の目で確認してください。

具体的な作業の流れ(例)

商談後に10分間でメモをまとめ、それをAIに渡す、という流れが現実的です。以下は実際に使える手順です。

  1. 商談終了後、相手が話していた課題・懸念・希望を箇条書きでメモする(5分)
  2. そのメモを「課題のセクション」の素材としてAIに渡す
  3. 「このメモをもとに、相手の課題を3点に絞って、提案書の課題セクションを100字以内で書いてください」と依頼する
  4. 出力を読んで、事実と異なる点や言い回しが気になる箇所を直す

このサイクルを各セクションで繰り返すと、素材集め→AIで下書き→人間が確認、という明確な役割分担ができます。慣れれば1セクション10〜15分で仕上げられます。

数字・事例の扱いに注意する

AIは指示がなくても「20%のコスト削減」「導入企業300社」などの数字を文章に含めることがあります。これらの数字が自社の実績と一致しているか、必ず確認してください。もし実績数字を持っていない場合は、「具体的な数字は含めないでください」と最初に伝えておくと安全です。

逆に、自社に実績データがある場合はどんどん渡してください。「同規模の製造業での導入後、経理担当の月間残業が18時間から4時間に減少した」といった具体的な数字は、提案書の説得力を大きく高めます。AIはその数字を使って、読み手に刺さる文章を組み立てることが得意です。

よくある失敗:情報を渡しすぎて散らかる

逆に「全部渡せばいい」と思って、不要な情報まで大量に貼り付けると、AIが何を使えばいいか迷い、焦点がぼけた文章が返ってきます。渡す情報は「このセクションに必要な事実だけ」に絞るのが鉄則です。セクションごとに1回ずつ依頼するほうが、まとめて渡すよりも質が上がりやすいです。

ステップ3: 清書とトーンの調整

中身が揃ったら、最後に文章として清書します。「相手は経営者なので、専門用語を避け、丁寧で簡潔な敬体にして」といった指示を添えると、読み手に合った文体に整います。

清書の段階で役立つ観点は次のとおりです。

  • 一文を短くし、結論を先に置く
  • 専門用語には簡単な言い換えを添える
  • 同じ提案書内で言葉づかいや表記を統一する

読み手のタイプに合わせた指示の例

清書のトーンは「誰が読むか」で変えます。以下は、読み手別の指示のバリエーションです。

  • 経営者・社長向け: 「数字と結論を優先して、詳細説明は最小限に。全体を400字以内にまとめて」
  • 現場担当者向け: 「導入後の具体的な操作イメージが伝わるように。専門用語は使わず、ひらがな多めの読みやすい文体で」
  • 経理・管理部門向け: 「コスト試算と運用負荷の変化が明確に伝わるように。数字を前面に出して」

同じ提案書を複数の読み手が見る場合は、「1ページ目は経営者向けに結論だけまとめ、2ページ目以降は担当者向けに詳細を置く」という構成が効果的です。この構成もAIへの指示で作れます。

最終チェックは人間が行う

仕上げに「読み手が一番気にする点が伝わっているか」「次のアクションが明確か」を自分でチェックすれば、提案書としての完成度が上がります。

チェックするポイントを具体的に挙げると、以下のとおりです。

  • 相手が最も気にしているコストや手間について、明確な回答が提案書の中にあるか
  • 「次に何をすればいいか」(試験導入の申し込み先、次回打ち合わせの日程調整方法など)が最後に書かれているか
  • 金額・社名・担当者名などの固有情報に誤りがないか
  • 提案書全体のページ数が相手にとって読める量か(A4で3〜4ページ以内が目安)

固有情報の確認は、AIが作った文章の中で特に注意が必要な箇所です。AIは前後の文脈から「それらしい」情報を補うことがあります。たとえば「御社」と書くべきところが「株式会社〇〇様」などと別の名称になっていても、一読してすぐ気づかないことがあります。提出前に必ず通し読みを行ってください。

よくある質問

Q. AIが書いた提案書は相手にバレますか?

提案書の評価は「誰が書いたか」ではなく「内容が相手の課題に刺さっているか」で決まります。AIを使って構成や文章の下書きを作り、事実確認と最終判断を人間が行うという進め方は、専門ライターが編集者に文章を整えてもらう作業と本質的に変わりません。ただし、AIが生成したまま無確認で提出すると、事実の誤りや相手の状況と合わない内容が残るリスクがあります。「AIが補助、人間が確認」という役割分担を守ることで、品質と効率の両方を保てます。

Q. どのAIツールを使えばいいですか?

提案書づくりであれば、長い文章のやり取りが可能で、ビジネス文書の生成が得意なツールを選ぶのが基本です。ツールによって得意・不得意があるため、まず1〜2件の提案書で試してみて、自社の業種や文体に合う出力が返ってくるものを選ぶのが実際的な判断です。社内で使い始める場合は、情報セキュリティのポリシーを確認し、顧客情報や価格情報を外部サービスに入力して問題がないか事前に確認してください。

Q. 提案書のテンプレートは一度作れば使い回せますか?

はい、骨組みの構成は案件の類型ごとにテンプレートとして保存できます。たとえば「新規開拓向け・初回商談用」「既存顧客向け・追加提案用」のように分けておくと、次回から骨組みを考える手間が省けます。ただし、各案件の「相手の課題」「提案内容の具体的な数字」「次のアクション」はテンプレートから引き継がず、毎回新しく埋め直してください。この部分を使い回すと、相手に「使い回されている」という印象を与えることがあります。

まとめ

提案書づくりは、構成・中身・清書の3段階に分け、事実は人間が、文章化はAIが担当すると、無理なく短時間で仕上がります。少人数のチームでも、この進め方なら品質を落とさず提案書の作成時間を圧縮できます。FLEXのような業務AIを使えば、こうした流れを社内の決まった手順として定着させやすくなります。まずは次の提案書から、骨組みづくりだけでもAIと一緒に試してみてください。

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